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2018年12月18日

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ

お線香を供えることにはどのような意味が込められているのでしょうか。また、各宗派によってお線香のあげ方は異なります。浄土真宗、浄土宗、日蓮宗、真言宗、曹洞宗などではお線香は何本供えるのが正しいのでしょうか。また、お線香をあげる際の注意点を4つ紹介します。

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ

お線香とは

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
お線香は、仏壇や墓前に供物や花と共に供え、煙を燻らせるのが一般的です。最近では、仏事と関係なく芳香を楽しむためだけにお線香をつけたり、虫除けのために蚊取り線香が利用されたりと、お線香は私たちの生活に馴染み、日用品のひとつとして利用されることも多くなりました。

そのためお線香の意味を考えることは少ないでしょう。そもそも、お線香はいつ頃から私たちの日常に登場したのでしょうか。その歴史を辿ってみましょう。

お線香の始まりはいつ頃なのか

「香」は、古代エジプトやオリエント文明などで古くから利用されてきました。仏教の開かれたインドの地でも古くから香木が使用され、遺体の臭いを抑えるため使用されていたと言われています。

日本には、仏教伝来と共に、「香」が伝えられました。平安時代には、貴族の嗜みとしてさまざまな香が楽しまれ、中世には文化として「聞香」が発達します。現代のようなお線香は、戦国~江戸時代頃の堺が発祥の地と言われています。

お線香をあげる意味

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
それでは、どうして墓前や仏壇にお線香を供えることになったのでしょうか。それは、ただの儀礼でそこに意味はないのでしょうか。実は、お線香を仏さまに供えることには、深い意味があります。

お線香の持つ意味、お線香を供えることにはどのような意味が込められているのかを紹介していきます。

意味1:故人の食べ物である

お線香はなぜ、お葬式やお通夜のとき仏前に供えられるのでしょうか。実は、お線香の香りは故人の食べ物であるという「香食」という仏教の教えがあるためです。

私たちが亡くなった後、葬儀の後に四十九日という追善法要を行います。仏教では死後、浄土に行けるかどうかの裁きが七日ごとに行われ、四十九日というのは最後の判決の日に当たります。四十九日の間は中有を彷徨うと言われており、その間の食べ物が線香の香りです。

意味2:自分のために身を清める

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
もともと遺体を清めることに「香」が使われてきましたが、場や物、人を浄化する力がお線香にはあると考えられてきました。邪気を祓うためにも、古くからお線香は使用されてきました。

私たちが仏前にお線香を供えるのには、故人に捧げるだけではなく、故人を前にして、私たち自身の身を清めるという意味合いもこもっています。

意味3:煙を通じて御仏と対話する

私たちがお線香を供えるのは、どのような時でしょうか。仏壇や墓前で、亡くなった方を前に供えられるというシチュエーションが多いのではないでしょうか。

お通夜や葬儀の時に、お線香の煙を絶やさないのは、故人が浄土までの道を彷徨わないための道しるべであるとも言われます。お線香の煙は、浄土までまっすぐに届いていますので、その煙や香りを辿って、仏さまに対して気持ちを伝えるという意味もあると考えられます。

宗派によって違うお線香のあげ方

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
仏教は、日本に伝来して以降もさまざまな宗派に分かれたため、各宗派ごとに仏事における決まり事が異なる場合があります。

知人の葬儀に参列した際、マナーが異なって戸惑ってしまったという体験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。

お線香のあげ方も、各宗派ごとに決まりがあり、意味が込められていることがありますので、おさらいしておきましょう。

浄土真宗

浄土真宗は、鎌倉仏教のひとつで、親鸞が開祖となり法然の教えを継承した宗派です。浄土真宗では、お線香は立てずに寝かせて供えます。これを寝線香と呼びます。

お線香は1本のみで、香炉の大きさに合わせて、2~3本に折ってから火をつけます。炎が大きくなってしまった場合は、吹き消したりせずに、手であおぎましょう。火のついた方を自分から見て左側にし、横に寝かせて香炉に供えます。

浄土宗

法然によって開かれた浄土宗では、お線香の本数は公式に定められておらず、地域の慣習によって1~3本を立てられるのが一般的です。

香炉の真ん中に立て、複数のお線香をあげる場合には、まとめて真ん中に立てます。寝線香で供えることもあります。

本数の持つ意味は、1本は「一心専念弥陀名号」、ひたすら「南無阿弥陀佛」と称えること、2本は「戒香・定香」の二香、3本は「仏・法・僧」の三宝に供養することとされています。

日蓮宗

日蓮宗では、お線香は1本または3本、寝かせずに立てて供えるのが一般的です。3本の場合、仏(お釈迦様)、法(お釈迦様の教えである法華経)、僧の三宝に対して帰依するという意味合いがありますが、参列者が多い場合や地域によっては、3本ではなく1本のみを立てます。

香炉が三本足の場合には、仏さまの方に尖った物が向かないように、二本を仏さま側に、一本を仏さまのいらっしゃらない方に配置します。

真言宗

真言宗は、さまざまな宗派に分かれているため、お線香の供え方も地域や宗派によって、さまざまな考え方があります。

真言宗では、3本のお線香を立てるのが一般的ですが、宗派によって仏さま側に尖った物が向かないよう2本、自分の側に1本立てる逆三角形の立て方をする場合と、仏さまの側に1本、自分の側に2本の正三角形の立て方をする場合があります。

智山派・豊山派などの新義真言宗では正三角形が多く見られます。

曹洞宗

曹洞宗では、1本のお線香を立ててお供えします。1本のお線香にロウソクから火をつけて、少し押しいただくようにしてから、香炉にお供えします。香炉が三本足の場合には、手前に一本の足が来るように配置します。

天台宗

天台宗は、最澄によって平安時代に日本に伝えられた仏教です。お線香は、3本立てると言われることが多いのですが、天台宗の公式の教えでは「お線香の本数には決まりはない」とされています。

「今私が献ずるこのお香の煙が、広く十方界にゆきわたって、諸仏・諸菩薩を供養し、ひいては先祖の世界にも届いて供養することができますように」と、自分がお線香を供えたことで仏、菩薩、先祖の供養になるよう願うことが大事です。

臨済宗

臨済宗は、曹洞宗と同じく禅宗のひとつの宗派で、鎌倉仏教のひとつです。臨済宗では、お線香の本数に特にこだわる必要はないと考えていますが、曹洞宗と同じように1本のお線香を立てるのが一般的です。

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お線香をあげる際の注意点4つ

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
それでは次に、お線香をあげる際の注意点について見ていきましょう。お線香は仏さまに供えるものゆえ、いろいろと不作法があってはならないと迷ってしまうことも多いでしょう。

特に、迷ってしまいがちな注意したい4点について紹介していきますので、この機会に覚えておきましょう。

1:お線香を折っても良いのか

お線香の香りが仏さまの食べ物であるという意味を知ると、「仏さまに捧げるお線香を折ってしまってもよいのだろうか」と迷われる方もいらっしゃることでしょう。

しかし、宗派によっては、折って供える宗派もあります。折ることにも意味がありますので、その宗派の決まりに沿って捧げるのがよいでしょう。たとえば、浄土真宗では香炉の大きさに合わせて折って供えるのがマナーとなります。

2:お線香の匂いがきつすぎる場合

密閉された室内や、たくさんの参列者がいる葬儀、法要では、お線香の匂いや煙がつらくなってしまうこともあるでしょう。葬儀によっては、参列者が多い場合、宗派の決まりにかかわらずお線香の本数を減らす場合もあります。

自宅の仏壇に供える場合には、無煙や匂いの少ない線香を選ぶという選択肢も考えてみましょう。しかし、故人に捧げるのは、お線香の香りであるという意味も覚えておきましょう。

3:お線香の本数は何本が良いか

お線香の本数も、折ってよいかどうかと同様、各宗派によって決まりが異なりそこに意味を見いだす宗派もあれば、特に決まりはないとしている宗派もあります。

お線香の本数に意味があると考える宗派もありますので、本数が決まっている宗派の場合は、その故人の属している宗派、葬儀や法要のマナーに合わせた本数を供えるとよいでしょう。

4:お線香の灰をどうすれば良いのか

お線香の灰は定期的に掃除をしましょう。燃え残りが溜まると、灰の色も悪くなります。灰をふるいにかけて、かたまりは取り除きます。

不要な灰は、庭に撒いて捨てたり、可燃ゴミとして処分したりしてもかまいません。

お線香の意味を知って故人を弔いましょう

お線香をあげる意味とは?お線香をあげる際の注意点4つ
お線香の持つ意味、お線香の由来や歴史について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。慣習として、なんとなく使用していることの多いお線香ですが、これは仏教独自の文化であり、お線香はキリスト教式や神式の葬儀では使われることがありません。

お線香の持つ深い意味を正しく理解した上で、故人を弔うのも、故人に真摯に向き合うこととなり、故人を心から偲ぶためになることでしょう。

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