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2019年04月19日

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語

初秋の季語である「天の川」。過去から現代までで、天の川を季語に読まれた有名な俳句を紹介します。他に初秋に使われる季語もご紹介します。教科書に載っているような有名な俳人の俳句を中心に「天の川」の季語の意味や、読まれた俳句の時代背景などもお伝えしています。

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語

俳句における「天の川」

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
結構いろんなところで目にする「天の川」が使われた俳句をご紹介して行きます。今回は「天の川」を季語に使った有名な俳句を一緒に見ていきましょう。

天の川と言えば、七夕の織姫と牽牛の一年に一度の逢瀬というロマンチックな話も有名です。

昔は今のように電気がないので、きっと手が届きそうなくらい近くに天の川が見えていたことでしょう。そんな背景も頭に思い浮かべながら、読んでみてください。

いつの季語?

俳句における「天の川」とは、「初秋」を表す季語です。

日本は地球において北半球に位置し、日本古来の暦でいう初秋八月頃にもっとも明るく、最も高い位置で見られることから秋の季語として使われています。

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選

初秋の季語「天の川」を用いた俳句はたくさんあります。今回は、実際有名歌人がよんだ俳句を8例に挙げて説明していきます。

松尾芭蕉・正岡子規・加藤暁台・高浜虚子・中村草田男の5人の作品を参考にされてみませんか。

1:荒海や佐渡に横たふ天の川

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
松尾芭蕉の「奥のほそ道」に掲載された俳句です。旅の途中、直江津(高田)の佐藤元仙宅での句会で吟じたものと言われています。

句の意味は、「眼前に広がる日本海の荒れ狂う波の先には、佐渡島がある。」昔から金山で栄えている島ではあるが、その反面流刑に処された重罪人の多い島でもあります。

そこから空に横たわる銀河の星を眺めていると、その雄大さと共に過去からの歴史に伴った何とも言えぬ寂しさが伝わってきます。

居酒屋奥の細道

出典: https://www.bunshun.co.jp/mag/ooruyomimono/hosomichi/haik... |

2:天の川高燈籠にかかりけり

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
正岡子規が芭蕉の足跡を辿った旅の際の俳句です。

酒田にてこの辺りの昔からある古灯籠は、夜になると火を点ける。夏の夜の市街を散歩していると、松林の間に納涼のための小屋が建っています。

酒田の灯籠が並ぶ、森の小屋が立ち並ぶ風景のなかで読まれた句です。意は、ふと空を見上げると、高い灯籠に天の川がかかっているように明るく、間近に見えるという情景を詠んだ句です。

星空の句

出典: http://www.sakanouenokumo.com/haiku_hosi.htm |

3:水学も乗物かさんあまの川

芭蕉の35歳七夕の句です。その時代長崎で「水からくり」を学び、名人と言われていた「水学宗甫」のことを詠んでいます。

句の意味は、七夕の夜一年に一度だけ逢瀬が許されている彦星と織姫ですが、天の川が増水してしまったら、水からくりの名人水学宗甫が舟を操って二人を助けてあげるでしょう、という内容です。

俳諧江戸広小路

出典: http://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/sui... |

4:打たゝく駒のかしらや天の川

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
写真は芭蕉の門下、江戸時代の俳人、向井去来の草庵跡です。去来駒は今でいう「馬」を表します。

句の意味は、どこかへ出かけた帰り道に「もう天の川が見える時間になってしまったので、家路を急ぐために馬を急ぎ足にさせるために、頭をたたいてもうひと頑張りしてもらおう。」という情景を詠んでいます。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/kigo500a/448.html |

5:眞夜中やふりかはりたる天の川

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
芭蕉の高弟で江戸前期から中期の俳人「服部嵐雪」の句です。

句は「真夜中にみる天の川が、時がたつに連れてどんどんと移り変わる様が美しい。」という内容です。光り方や、星の見える位置が変わって行く様子をじっとみていて感動したのでしょう。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/kigo500a/448.html |

6:江に添うて流るゝ影や天の川

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
江戸中期の俳人で、加藤暁台の句です。先の俳人「与謝蕪村」の影響を受け、蕉風復古を志していました。

久村となっていることもありますし、別に「暮雨巷(ぼうこう)」と名乗っていることもあります。

意味は「入江に沿って移動していると水面に映る天の川の影がまるで一緒についてきているように見える。」という俳句です。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/kigo500a/448.html |

7:天の川のもとに天智天皇と虚子と

初秋の季語「天の川」を使った有名俳句8選|初秋の季語
かの有名な「高浜虚子」の句です。虚子は法事のため故郷松山に帰った折、太宰府を参拝しました。その時に天の川をながめ、天智天皇がその昔唐などから国を守るため尽力したことに思いを馳せ、自分も臣下の一員としてその思いを継ごうという気持ちを詠んだ俳句です。

高濱虚子の100句を読む 坊城俊樹

出典: http://www.izbooks.co.jp/kyoshi87.html |

8:妻二タ夜あらず二タ夜の天の川

作者中村草田男は中国福建省にて生を受け、生後まもなく親の本籍地「松山」に移ります。水原秋桜子に師事し、虚子の「ホトトギス」の同人となりました。

この俳句は「妻が留守にしていた間の2日間、良い天気でひとりで美しい天の川をみて過ごしていました。妻も出た先で同じ天の川を見ているだろうか、一緒に見ることができず残念です。」という自分の気持ちをうたっています。

一韶の俳句ブログ

出典: https://blog.goo.ne.jp/issyo_2010/e/8ab9359cf3ab12e1a619c... |

初秋の季語7選

初秋をあらわす季語で有名なものをご紹介します。厳選した「萩」・「冬瓜」・「草牡丹」・「鹿」・「鮎啄木鳥」・「赤とんぼ」の7つを参考にされてみませんか。

季語1:萩

8月中頃より赤紫の花をつける、植物「萩」も秋の花です。その花の盛りに合わせて秋の季語とされています。

白露もこぼさぬ萩のうねりかな
芭蕉

山を散策している折に見た、萩の茂みには朝の白露が残っています。それほどに山萩が生い茂っていたのでしょう。

白露もこぼさぬという部分で、太陽の光に照らされ白く光る露と花をたくさんつけて隙間もないほど今も盛りと咲き誇っている萩の木々の様が、叙情的に読まれています。

芭蕉の句

出典: http://book.geocities.jp/urawa0328/basyouku/siratuyumo0.html |

季語2:冬瓜

冬瓜は夏に実が熟すのですが、長く保存ができることから秋の季語となっています。冬瓜汁など暖かいメニューに使われることもあり、秋の季語として使われてきたのでしょう。

冬瓜やたがひにかはる顔の形
芭蕉

冬瓜には色々な形のものがあり、見るたびに違う面影で面白いという内容です。冬瓜を人の顔に例えた、芭蕉らしい面白い句になっています。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/archives/4521 |

季語3:草牡丹

山野草として有名な「草牡丹」です。秋に釣鐘状の花をつけることから秋の季語とされています。葉が牡丹の葉に似ていることから、この名前になりました。

一方、「牡丹」は夏の季語です。夏のはじめに花が咲くことから、夏の季語として用いられます。

牡丹散つてうちかさなりぬ二三片
蕪村

夏の季語である、牡丹の花びらが散り始め、足元を見ると2、3片重なっています。「もう夏も真っ盛りになったなあ」という気持ちを詠んでいます。

古文辞書 - Weblio古語辞典古語辞典

出典: https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%BC%E3%81%9F%E3%82%... |

季語4:鹿

「鹿」が秋の季語なのは、牡鹿が牝鹿に向かって鳴く季節だからです。相手を想って鳴く寂しさと秋の寂しさを表しています。

鹿聞いて 寂しき奈良の 宿屋哉
正岡子規

奈良の宿にひとり、夜に鹿の声を聞いている侘しい気持ちを表す、秋の夜長を感じさせる歌です。

575筆まか勢

出典: https://fudemaka57.exblog.jp/27789826/ |

季語5:鮎

秋に有名な魚と言えば「鮎」です。鮎漁の解禁の時期で、婚姻色の橙と黒に体表面の色が変色し、産卵するために下流へくだる時期です。そのためこの時期の季語として使われます。

鮎おちて 焚火ゆかしき 宇治の里
与謝蕪村

蕪村が京都の宇治にて産卵のためにおりてきた(おちてきた)鮎を、焚火で焼いている様をみて、えもいわれぬ懐古の気持ちを詠みました。自分が幼少期や青年期に見た光景で「ああ秋だな」という感慨を表しています。

575筆まか勢

出典: https://fudemaka57.exblog.jp/23361770/ |

季語6:啄木鳥

啄木鳥は秋の森で木をつついている音が、より一層響くことから秋の季語とされています。

手斧打つ音も木ぶかし啄木鳥
蕪村

深く木々が茂っている秋の森の中で、まるで手斧を打っている音のように、啄木鳥の幹をくちばしで打つ音が森に響き渡っています。

秋は空気が澄んでいて、ましてや深い森の中であればさらに音が響きます。まるで啄木鳥が木こりのようにクチバシを斧の代わりに打っている様を表現しています。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/archives/5836 |

季語7:赤とんぼ

季語に使われる赤とんぼは「アキアカネ」のことを指しています。秋が産卵の時期で、初秋から晩秋の間、秋を通して野辺で見られます。

赤蜻蛉飛ぶや平家のちりぢりに
正岡子規

子規が兵庫県の須磨で読んだ句です。

赤とんぼを平家の赤い旗に見立て、源氏に追われ落ちてゆく様を詠っています。自分が入院していた病院での窓辺の風景から着想したのか、病院の白(源氏の旗色)と平家の赤をかけてあります。

「きごさい歳時記」

出典: http://kigosai.sub.jp/archives/4605 |

お気に入りの「天の川」の俳句を探してみよう

いかがでしたか。これ以外にも日本で有名な俳人がうたっている「天の川」の俳句はたくさんあります。秋の季語である「天の川」、自分で俳句を詠む時に使うのも良いでしょう。

秋の季語なので「天の川」というと、寂しさや物悲しさを表す内容のものと自然の雄大さと美しい情景をうたったものとがあるので、詠んだ人によってどんな使われ方をしているのか、比べて見るのも楽しいでしょう。

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