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2019年01月24日

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介

いまも多くの人に愛されている『源氏物語』とは、いったいどのような作品なのでしょうか。『源氏物語』の冒頭を中心に読み解き、その魅力は何なのか探っていきます。源氏物語の概要、時代、作者、登場人物や、源氏物語が最高の恋愛小説とされる理由についても紹介します。

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介

源氏物語とは

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』は、古典文学の名作として国語の授業の中で習うだけでなく、現代においても映像化、マンガ化されたり、単なる現代語訳にとどまらない翻案的な小説が出版されたりと、いまだ人気の高い作品です。

いまも多くの人に愛されている『源氏物語』とは、いったいどのような作品で、私たちにどのような感動を与えてくれるのでしょうか。『源氏物語』について、特にその冒頭を中心に読み解き、その魅力は何なのか探っていきます。

源氏物語の概要

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
日本人なら誰もがタイトルは知っているであろう『源氏物語』ですが、それはいつの時代に、どのような作者によって書かれたのでしょうか。

また、54帖にも及ぶ長大な物語の中には、数多くの人物が登場します。その中で、物語の冒頭部分を読むのに最低限把握しておきたいのはどのような人物でしょうか。

『源氏物語』の冒頭部を紹介する前に、まずは『源氏物語』の書かれた時代、作者、構成、主な登場人物について紹介していきます。

時代

『源氏物語』が書かれたのは、平安時代の中期、一条天皇の時代のことです。摂関政治がさかんに行われていた時代で、権力者たちは娘を天皇の后にするため優秀な女房(=侍女)を集め一種の文学サロンを形成し、日記や物語が生まれ始めました。『蜻蛉日記』や『枕草子』も、『源氏物語』に先立って生まれた女流文学です。

『源氏物語』の冒頭に書かれた時代は作者が生きていたより少し前の時代をモデルにしていると言われています。

作者

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』の作者、紫式部は、受領階級と呼ばれる中流貴族、藤原為時の娘であり、藤原道長の娘で一条天皇の中宮である彰子のもとに女房として仕えていました。

『紫式部日記』には、『源氏物語』は彰子だけではなく一条天皇も読み、「この作者は日本書紀をよく読んでいる、とても才のある人物だ」と評したという当時のエピソードが書かれています。架空の宮廷を描きながらもリアリティ溢れる筆致が、そう言わせたのでしょう。

構成

『源氏物語』は長大で複雑な物語のため、これまで多くの研究者によって、いくつかの部分に分けることが試みられました。

有名なのは、池田亀鑑による三部の分け方で、光源氏の栄達を描く冒頭の「桐壺」から「藤裏葉」までの第一部、源氏の苦悩を描く「若菜」から「幻」までの第二部、源氏の子孫たちを描く「匂兵部卿」から「夢浮橋」までの第三部、の三部構成を唱え、この説はその後広く受け入れられています。

主な登場人物

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
それでは、次に『源氏物語』の主な登場人物を見ていきましょう。

物語の進行に関わりのある重要な人物だけでも何十人と登場する『源氏物語』で、物語の冒頭にあたる「桐壺」巻でもたくさんの人物が次々と登場します。

そのすべてを紹介していくことはできませんが、物語の冒頭を読むにあたって最低限抑えておきたい人物について紹介します。

光源氏

光源氏は『源氏物語』の「桐壺」から「幻」までの主人公で、桐壺院の第二皇子、桐壺更衣を母として生まれます。容姿、才能に優れ「帝王に立つ宿運を持つ」と予言されるも、後見のない皇子ゆえ父は帝の位に就かせようとせず源氏の姓を与えます。

左大臣の長女、葵の上を正妻としますが、桐壺更衣と似ていると言われる藤壺中宮への思いを諦めきれず、空蝉、夕顔、六条御息所など数多の女性を求め歩き藤壺に似た紫の上を引き取ります。

桐壺更衣

『源氏物語』の冒頭は、光源氏の母である桐壺更衣の話から始まります。

桐壺更衣は、故・按察使大納言の娘で、父の遺志により後見のないまま桐壺帝のもとに更衣として入内します。女御より低い身分の更衣ながら、桐壺帝の寵愛を一身に受けたため、他の女御たちの嫉妬を受け、さまざまな妨害を受けます。

桐壺更衣は、第二皇子である後の光源氏を産みますが、周囲の妬みによる心労がたたり、三歳の光を遺して帰らぬ人となりました。

藤壺中宮

藤壺中宮も、非常に重要な人物です。先の帝の四の宮で、桐壺更衣にうりふたつと言われていました。桐壺更衣を喪って嘆き悲しむ桐壺帝に懇願され女御となります。帝の寵愛は深く、「光る君」に対して「輝く日の宮」と称えられます。

光源氏は藤壺が母の桐壺更衣に似ていると聞き恋慕うようになります。里下がりしたとき、藤壺は源氏と一夜の過ちを犯し、源氏によく似た皇子を産み、その後、源氏との間の子は冷泉帝として即位します。

葵上

左大臣と大宮の間の娘で、頭中将の姉妹、家柄も良く東宮からも入内を希望されていましたが、父左大臣の意向により光源氏の北の方(=正妻)となります。

光源氏より四歳年上ということもあり、結婚当初はなかなか打ち解けることのできない夫婦でしたが、結婚九年目に初めて懐妊します。しかし、六条御息所の生霊によって祟られ、光源氏との子(=後の夕霧)を産み落としてまもなく、帰らぬ人となってしまいます。

六条御息所

十六歳で桐壺帝の弟の東宮(=前東宮)の妃となり姫宮(=後の秋好中宮)を産みますが、二十歳のとき東宮に死別します。

光源氏の熱心さに恋人の一人となりますが、次第に光源氏の足は遠のいていきました。斎宮となった娘と共に伊勢に下ろうかと悩みながらも、源氏の晴れ姿を一目見たいと出かけた葵祭で、葵の上の従者から車を壊される狼藉に遭います。

六条御息所の生霊は体から彷徨い出て、葵の上は取り殺されてしまいます。

源氏物語の冒頭

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』の冒頭、最初の巻は「桐壺」という題名で、主人公の光源氏の誕生前から十二歳になるまでのことが描かれています。桐壺とは、光源氏の母が更衣として上がった殿舎の名前です。

『源氏物語』の冒頭は、古典の授業でもおなじみの有名な美文です。

冒頭部「いづれの御時にか(=いつの御代のことか)」の一文は時代をうまくぼかし、女御や更衣がたくさんいた、少し前の架空の宮廷の話であることを示しています。

冒頭の原文

『源氏物語』の冒頭の原文を次に引用します。

「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬがすぐれて時めき給ふありけり。はじめより、我はと思ひあがり給へる御方々、めざましきものにおとしめそねみ給ふ。同じ程、それより下臈の更衣たちはましてやすからず。」

現代語訳

先ほど引用した『源氏物語』の冒頭の部分を、現代語に置き換えたのが次の文章です。

どの帝の御代のことでしたか、女御や更衣が大勢お仕えしておられた中に、最高の身分とは言えないけれど、格別に帝のご寵愛を受けていらっしゃるお方がいました。宮仕えの初めから、「我こそは(寵愛されるだろう)」と自負しておられた女御方は、目に余る者と蔑んだり妬んだりなさいます。同じ身分やそれより低い更衣たちは、まして気がおさまりません。

現代語訳の要約

『源氏物語』の冒頭部の現代語訳に、補足してわかりやすくしました。

とある帝の御代に、さして高い身分ではないながらも、帝(=桐壺帝、光源氏の父)の寵愛を一身に集めた更衣(=桐壺更衣、光源氏の母)がいらっしゃいました。

父の大納言も亡くなり、その他に格別の後見をしてくれる人もいもないのに帝が特別扱いする更衣に対し、「自分こそ寵愛を受け后になる」と自負し宮廷に上がた他の女御や更衣たちの嫉妬が集中しました。

源氏物語をより深く理解するためにおすすめの本

『源氏物語』はあまりに長大なため、一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまうことも多いでしょう。そんな難解な物語も、わかりやすく美しいイラストで、現代人の私たちに伝えてくれるのがマンガのよいところです。

『あさきゆめみし』は、多くの『源氏物語』のマンガ化作品の中でも評価の高い古典的な名著で、海外でも人気です。1巻は『源氏物語』冒頭の「桐壺」から始まります。

色々な『源氏物語』を読み漁り、こちらにもとうとう手を出してしまいました(笑)
初めて読みましたが、とても面白くて購入してから毎日読み返すほどです!(マジ)
いまの様に視覚的資料が少ない(ほぼない)時代に描かれたそうなので、並々ならないご苦労があったんだろうなぁ、と頭の下がる思いです
各登場人物の心理描写が随処にあることで、原作よりも登場人物に深みが増しています
ストーリーのアレンジもありますが、『源氏物語』の取っ掛かりには最良の作品だと思います

出典: https://www.amazon.co.jp/%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%8D%E3%8... |

源氏物語が最高の恋愛小説とされる理由

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』は、発表されると同時に、紫式部と同じく内裏に務める貴族たちに愛読されました。紀貫之が『土佐日記』を女のふりをして書いたことからも当時は仮名文字や物語というのは女性のものという常識がうかがえますが、そんな時代に男性貴族や天皇までも虜にしたのが『源氏物語』です。

そして、現代になっても『源氏物語』の人気は続き、有名な小説家たちが現代語訳に挑戦したり、マンガや映画、アニメになったりしています。

過激さ

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』冒頭では、桐壺更衣に嫉妬した他の女御や更衣たちが、桐壺更衣の通る道に汚物を撒いたり、閉じこめたりといった赤裸々で過激な後宮でのいじめが描かれています。

光源氏の色好みぶりも物語の過激さを増していますが、特に過激な恋愛といえば義母にあたる藤壺中宮との密通でしょう。義理の母であると同時に天皇の妻に不義をはたらくという非常に過激な内容で、当時の人にとってとてもショッキングな内容だったでしょう。

美しい文章

過激な内容ながらも、『源氏物語』が多くの人に受け入れられたのは、中国の詩や日本の和歌を下敷きにした文章の美しさからでしょう。

『源氏物語』冒頭で、桐壺更衣を寵愛する帝の様子は「楊貴妃の例」と表現され、桐壺更衣の死後、魂を求める様は『長恨歌』の影響を受けています。

登場人物たちの会話や挨拶も現代人のように「こんにちは」「愛しています」などと直接言わず、すべて和歌を下敷きにした美しい文章で綴られています。

日本文化の美に触れられる

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』を読んでいて触れられるのは、和歌の美しさだけではありません。今では失われてしまった日本の古き良き文化、平安時代のたくさんの文化に触れられるのが『源氏物語』の魅力のひとつでしょう。

『源氏物語』冒頭では、桐壺更衣に対する悲惨ないじめが描かれていましたが、『絵合』巻では後宮での争いも左右2組に分れて絵を出し合い優劣を競うという優雅な遊びの文化として描かれています。

魅力的なたくさんの登場人物

『源氏物語』冒頭に登場する主要な人物を紹介しましたが、物語にはその他にもたくさんの魅力的な人物が登場します。

光源氏に育てられ、妻となってからはなさぬ中の子を育て上げて、晩年は嫉妬に苦しむ紫の上や、身分違いの光源氏に言い寄られながらシンデレラのようにはならずその求愛を突っぱねてしまう空蝉をはじめ、多様なキャラクターがたくさん登場します。

誰でも、共感できる登場人物が一人は見つかるのではないでしょうか。

源氏物語の冒頭を学んで古典作品に親しもう

源氏物語の冒頭を解説!現代語訳や主な登場人物を紹介
『源氏物語』の冒頭部分を紹介しながら、『源氏物語』の登場人物や魅力の秘密について紹介してきました。

『源氏物語』のように長大な作品を目の前にすると、すべて読むのは大変と考えてしまう方も多いことでしょう。しかし、冒頭部分からだけでも、物語のエッセンスや魅力の一部を味わうことはできます。

『源氏物語』の冒頭から、少しずつ作品に親しんでみてはいかがでしょうか。

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