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2018年12月26日

御詠歌の歌詞1番から33番とその意味|御詠歌の由来は

御詠歌をご存知でしょうか。御詠歌という響きだけは知っている、歌詞を聴いたことがあるという方が多いのではないでしょうか。今回は、日本人の心の中に棲み続ける仏教という教えと共に発展・伝承されてきた仏教音楽でもある御詠歌と、その歌詞についてご紹介していきます。

御詠歌の歌詞1番から33番とその意味|御詠歌の由来は

御詠歌とは

御詠歌の歌詞1番から33番とその意味|御詠歌の由来は
御詠歌とは、近畿地方を中心に散在する33の観世音菩薩を安置する霊場である寺院を巡礼する際に、仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌にして歌うように曲をつけて唱えたものを指します。

平安時代から伝わる御詠歌は、仏教の伝統芸能のひとつです。奈良時代に原型があったとされる、五七調または七五調の詞に曲をつけた和讃(和語の歌詞を用いて仏や教義を褒め称える)と呼ばれる唱歌もあわせて、御詠歌として扱われています。

由来

御詠歌の由来は平安時代の花山法皇の西国巡礼とされています。和歌を読むことを詠歌と呼びます。それがのちに御詠歌となりました。

平安中期に密教僧の間で、神仏を礼拝する際に和歌が唱えられるようになりました。それを受け、平安後期になると御詠歌の歌詞を声を長く引き延ばして特定の音節をつけて唄いながら巡礼する方法が、人々の間に広まりました。

大正10年に御詠歌の歌詞や音節が編集されて、仏教音楽として成立しました。

御詠歌の歌詞1番から33番

御詠歌の歌詞は霊場である寺院の札所の数と同じく1番から33番まであります。巡礼者は御詠歌の歌詞を唄いながら、白装束に笠をかぶって胸に札を掛けた状態で各寺院を称えてまわります。楽器は主に、鈴と鉦鼓が使われます。

それでは、各札所ごとの御詠歌の歌詞を1番から33番まで見ていきましょう。

御詠歌

出典: https://www.saikoku33.gr.jp/place/1 |

1番〜3番

御詠歌の歌詞1番から3番です。

1番「補陀洛や 岸打つ波は 三熊野の 那智のお山に ひびく滝津瀬」
(和歌山県「青岸渡寺」は神仏習合の修験道場としても有名です)

2番「ふるさとを はるばるここに 紀三井寺 花の都も 近くなるらん」
(和歌山県「紀三井山金剛宝寺護国院」は桜の名所です)

3番「父母の 恵みも深き 粉河寺 ほとけの誓ひ たのもしの身や」
(和歌山県「粉河寺」の本尊千手観音像は秘仏で公開されたことがありません)

4番〜6番

御詠歌の歌詞4番から6番です。

4番「深山路や 檜原松原 わけゆけば 槇の尾寺に 駒ぞいさめる」
(大阪府「施福寺」は南北朝時代に成立した山寺です)

5番「参るより 頼みをかくる 葛井寺 花のうてなに 紫の雲」
(大阪府「葛井寺」は聖武天皇の勅願で創建され、国宝の乾漆千手観音坐像があります)

6番「岩をたて 水をたたえて 壺阪の 庭にいさごも 浄土なるらん」
(奈良県「南法華寺」は人形浄瑠璃の舞台として有名です)

7番〜9番

御詠歌の歌詞7番から9番です。

7番「けさ見れば つゆ岡寺の 庭の苔 さながら瑠璃の 光なりけり」
(奈良県明日香村「東光山真珠院龍蓋寺・岡寺」は天武天皇の息子草壁皇子の岡宮の跡地に建てられています)

8番「いくたびも 参る心は はつせ寺 山もちかいも 深き谷川」
(奈良県「長谷寺」は多くの古典文学の舞台となった寺院です)

9番「春の日は 南円堂に かがやきて 三笠の山に 晴るるうす雲」
(奈良県「興福寺」は世界遺産になっています)

10番〜12番

御詠歌の歌詞10番から12番です。

10番「夜もすがら 月を三室戸 わけゆけば 宇治の川瀬に 立つは白波」
(京都府「三室戸寺」の千手観音像は秘仏で、写真も公開されていません)

11番「逆縁も もらさで救う 願なれば 准胝堂は たのもしきかな」
(京都府「醍醐寺」は真言宗醍醐派総本山です)

12番「みなかみは いづくなるらん いわまでら きしうつなみは まつかぜのおと」
(滋賀県「正法寺」は元正天皇の病気平癒祈願に関連した寺院です)

13番〜15番

御詠歌の歌詞13番から15番です。

13番「後の世を 願うこころは かろくとも ほとけの誓い おもき石山」
(滋賀県「石山寺」は日本有数の観音霊場です)

14番「いで入るや 波間の月を 三井寺の 鐘のひびきに あくる湖」
(滋賀県「園城寺」は天台寺門宗の総本山で、日本三大不動の一つ黄不動があります)

15番「昔より 立つとも知らぬ 今熊野 ほとけの誓い あらたなりけり」
(京都府「観音寺」は空海が熊野権現のお告げで創立した寺院です)

16番〜18番

御詠歌の歌詞16番から18番です。

16番「松風や 音羽の滝の 清水を むすぶ心は 涼しかるらん」
(京都府「清水寺」の御詠歌の歌詞は芭蕉の作品です)

17番「重くとも 五つの罪は よもあらじ 六波羅堂へ 参る身なれば」
(京都府「六波羅蜜寺」は踊り念仏で有名な空也が造立しました)

18番「わが思う 心のうちは 六の角 ただ円かれと 祈るなりけり」
(京都府「頂法寺」は六角堂とも呼ばれています)

19番〜21番

御詠歌の歌詞19番から21番です。

19番「花を見て いまは望みも 革堂の 庭の千草も 盛りなるらん」
(京都府「行願寺」は鹿の皮を常に身につけていた皮聖という僧が創建したため、革堂とも呼ばれています)

20番「野をもすぎ 山路にむかふ 雨の空 善峯よりも 晴るる夕立」
(京都府「善峯寺」からは比叡山が一望できます)

21番「かかる世に 生まれあふ身の あな憂やと 思はで頼め 十声一声」
(京都府「穴太寺」は身代わり観音で有名です)

22番〜24番

御詠歌の歌詞22番から24番です。

22番「おしなべて 老いも若きも 総持寺の 仏の誓ひ 頼まぬはなし」
(大阪府「総持寺」は亀の恩返しの伝説がある寺院です)

23番「重くとも 罪には法(のり)の 勝尾寺(かちおでら) ほとけを頼む 身こそやすけれ」
(大阪府「勝尾寺」は清和天皇の病気平癒の祈祷が行われた寺院です)

24番「野をもすぎ 里をもゆきて 中山の 寺へまいるは のちの世のため」
(兵庫県「中山寺」は聖徳太子が建立しました)

25番〜27番

御詠歌の歌詞25番から27番です。

25番「あはれみや 普き門の 品々に なにをかなみの ここに清水」
(兵庫県「清水寺」は播州清水寺とも呼ばれています)

26番「春は花 夏は橘 秋は菊 いつも妙なる 法の華山」
(兵庫県「一乗寺」は桜・紅葉・青葉が美しい寺院です)

27番「はるばると 登れば 書写の山おろし 松の響きも 御法(みのり)なるらむ」
(兵庫県「圓教寺」は書写山の山上にあり、西国三十三所のなかでは最大規模の寺院です)

28番〜30番

御詠歌の歌詞28番から30番です。

28番「波の音 松のひびきも 成相の 風ふきわたす 天の橋立」
(京都府「成相寺」からは天橋立が一望できます)

29番「そのかみは 幾世経ぬらん 便りをば 千歳もここに 松の尾の寺」
(京都府「松尾寺」は農耕・畜産・競馬などの馬の神として有名です)

30番「月も日も 波間に浮かぶ 竹生島 船に宝を 積む心地して」
(滋賀県「宝厳寺」は琵琶湖の北側に浮かぶ竹生島に建立されています)

31番〜33番

御詠歌の歌詞31番から33番です。

31番「八千年や 柳に長き 命寺運ぶ歩みの かざしなるらん」
(滋賀県「長命寺」)

32番「あなとうと 導きたま 観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを」
(滋賀県「観音正寺」)

33番
「万世の 願いをここに 納めおく 水は苔より 出る谷汲」
「世を照らす 仏のしるし ありければ まだともしびも消えぬなりけり」
「今までは 親と頼みし 笈摺を 脱ぎて納むる 美濃の谷汲」
(岐阜県「華厳寺」の御詠歌の歌詞は3つあります)

御詠歌について知りたい人におすすめの本はこちら!

「西国三十三所御詠歌 御詠歌集付CD」は、御詠歌のもととなった西国33箇所の歌詞を唄ったCDです。

実際の御詠歌の歌詞や曲調を知る資料として役立ちます。また、法要やお盆などにも広く使用することができるありがたいCDです。

御詠歌の歌詞が綴られている場所

御詠歌の歌詞が綴られている場所はどこでしょうか。

京都の清水寺では、御朱印に御詠歌の歌詞が綴られています。清水寺の拝観券の裏にも綴られています。他の寺院でも、御詠歌の歌詞が墨字で入った御朱印が存在しています。和歌が好きな方や旅の思い出に、ちょっとしたブームになっています。

御詠歌の歌詞はその寺院をあらわす内容になっています。歌詞の意味を寺院の起源と照らし合わせながら唄うと、親しみが湧いてきます。

御詠歌の歌詞を見に行こう

御詠歌の歌詞を実際にお参りして見に行ってみましょう。

本格的な巡礼に出なくても、寺院巡りをして御朱印を集める人が増えています。その際に、御詠歌の歌詞もお願いしてみましょう。御詠歌がある寺院では、御朱印帳に歌詞を記入してもらうことができるからです。

このように歌詞を御朱印帳に書いてもらったり、実際に御詠歌を寺院に見に行くことで、仏教を身近なものとして親しむことができるようになるでしょう。

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