Search

検索したいワードを入力してください

2019年01月24日

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説

死は皆、平等に訪れます。死に関連する儀式は多くあり、枕飾りも儀式に必要なものです。枕飾りは宗教や宗派によっても異なりますが、アイテムひとつひとつに意味があります。今回は仏教・神道・キリスト教での枕飾りの意味、整えるときの相場などを見ていきます。

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説

枕飾りとは

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
亡くなった方を斎場や自宅に安置するときに、遺体の枕元に置く、簡易的な祭壇が枕飾りです。

枕飾りは宗教によってアイテムが決められており、一つ一つに意味があります。特に仏教では冥府へ旅立つ際の旅支度の役割があ理、重要視されます。

神道、キリスト教では祈るための祭壇です。神道では神棚と同じように神饌を備えます。キリスト教では宗派によって変わりますが、十字架や聖書を祭壇に載せます。

枕飾りの意味や役割

枕飾りは弔問に来てくださった方が焼香したり拝礼をしたりするために設置します。通夜が始まる前に弔問に来てくださった方が故人と対面するための場であり、弔いをする場でもあります。

仏教では死者が迷わず成仏するための道しるべとして用意されます。肉体を離れたばかりの魂は現世に強い執着を持っていると言われ、枕飾りはこの執着を断ち切るために用意します。

枕経という枕飾りの前での僧侶の読経は成仏を支援します。

宗派によって異なる枕飾りの様式

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
枕飾りは宗教や、宗派によっても異なります。

仏教では冥府へ旅立つための旅支度の意味合いがあり、この世に未練を残さぬよう弁当の代わりに団子を用意したり、成仏の助けになる鈴などを用意します。

神道では枕飾りは祭壇です。神饌を備え、さらに故人が生前好きだった食べ物を供えたりします。

キリスト教ではもともと枕飾りの風習はありませんが、臨終を迎えてすぐの儀式で使う祭壇を作る習慣があります。

1:仏教の枕飾りの飾り方

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
仏教の枕飾りは故人が迷わず成仏するように心が尽くされています。仏教の枕飾りは僧侶が枕勤をするための祭壇でもありますし、故人が現世への未練を断ち切るためのアイテムや、冥府へ旅立つための旅支度がされています。

ご遺体の枕元に白い布を掛けた台を用意し祭壇とします。祭壇には三具足、枕団子、一膳飯、水、お鈴を用意します。全てのアイテムに意味があります。

三具足

みぐそく・さんぐそくは仏具のことで、香炉、燭台、花立の三つで一組の三具足です。祭壇の左側から花立、香炉、燭台の順におきます。

花立は花瓶のことです。枕飾りの花立には樒(しきみ)を一本、立てます。香炉には線香を、燭台には蝋燭をそれぞれ一本立てましょう。

樒には毒があり悪霊を寄せ付けないとされています。樒が用意できないときには菊や百合、水仙でも良いでしょう。枕飾りの花立には水を入れません。

枕団子

枕団子は遺体の枕元に備える枕膳の一つです。うるち米の粉で作った団子のことを言い、6個作り、ピラミッド状に重ねます。

枕団子はお釈迦様が悟りの世界へ入る際に菩薩が香飯を差し出しましたが、お釈迦様がこれを辞退し食べなかったので、死後に団子にして供えたという説に由来しています。

団子や一膳飯は冥府へ旅立つ際の弁当とも言われます。団子の数は「地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上」の六つの世界を表しています。

一膳飯

一膳飯はお茶碗に高く盛ったご飯に箸をまっすぐに立てます。

一膳飯は一膳限りの飯、つまり旅立って二度と戻らない人との別れの膳で出されていた習わしで、「死者がこの世での最後の食事」という意味があります。

一膳飯に使う茶碗は故人が生前使ってたものを使います。

枕団子、枕飯ともに半紙に包み棺に入れて一緒に火葬します。一膳飯を盛っていた茶碗は、故人の魂がこの世への未練を断ち切るため割って処分します。

故人の魂が冥府へ行く道のりで喉が乾かないように湯のみ茶碗やコップに入れてお供えします。

左側の奥に花立、一膳飯、水、燭台をおき、手前には左側から枕団子、香炉、鈴の順に配置しましょう。

鈴(りん)と呼びます。鈴は打つと高く澄んだ音が鳴ります。この音は人々の邪念を払うと言われます。またこの音に乗せ、供養や祈りを極楽浄土に届けるという役目もあります。

鈴は焼香や線香を立てる時に鳴らすものではなく、読経の際に音程とリズムを合わせるために鳴らします。焼香の際に鈴を叩かないようにしましょう。

2:神道の枕飾りの飾り方

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
神道の枕飾りは、仏教のように「冥府へ行くための準備」という意味はありません。神道の枕飾りは礼拝をするための簡易的な祭壇です。

神道では枕直しの儀で枕飾りを作ります。遺体を北枕に寝かせ、白布を顔に乗せ、屏風を立て、守り刀を置きます。

この時、灯火に火を入れ、遺体の前に「案」を設置します。この「案」が枕飾りです。案は八足机の上に乗餞か生餞を供えます。

八足机

八足机と八脚の白木でできた机です。四足や六足や黒木、漆塗りのものもありますが、最もポピュラーなのが白木の八足机です。

八足机はそれにこだわる必要もありませんが、神道では古くから「8」は神聖な数としていました。

8は「八方」「八紘」など、東西南北のあらゆる方面という意味を持ち、また「末広がり」「見通しが明るい」という意味があります。

現在では「案」=八足机となっています。

三方

三方は神様に捧げる餞を乗せる台ことで、前面と左右の三方に穴を空けた木製の台です。三方は「案」の上に設置します。

三方の上にはお神酒と水、洗米、塩の生餞を乗せます。また、常饌といって普段の食事と同じものや故人の好物をお供えすることもあります。

花瓶

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
案の上に設置する花瓶には榊を挿します。案の上に設置した三方を挟むように三方の両脇に一つづつ、配置しましょう。

榊は神道では重要で不可欠な植物で、漢字から見てもわかるように神と深い関わりがあります。

神と人との境界線を示す「境木」や、常に生い茂っていることで「栄る木」=「栄木」が転じて榊になったとの説もあります。榊は神様が降り立つ依り代としての役割を持ち、植物には神の力が宿るとも考えられています。

3:キリスト教の枕飾りの飾り方

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
キリスト教では枕飾りが必要ありませんが、簡易的な祭壇として設置することが多いです。キリスト教では宗派によって祭壇に置くものが変わります。

カトリックでは燭台、十字架、聖油ツボ、パン、水を置きます。プロテスタントはもっとシンプルで、白い花と聖書、燭台を置きます。

キリスト教では北枕などの習慣はなく、死装束などもありません。

十字架

十字架はキリスト教の重要な宗教的象徴です。キリストの受難、自己犠牲、罪や死に対する勝利、そして愛のシンボルなどとして礼拝の対象になります。

キリスト教はプロテスタント派とカトリック派に大きく分けられ、それぞれ葬儀や作法、そして考え方が違います。

カトリックの枕飾りには十字架を設置しますが、プロテスタントの枕飾りは十字架ではなく聖書を置きます。

聖書

聖書はキリスト教の聖典です。聖典とはその宗教における神聖な書物のことで、教えや決まりを書いた書物です。

キリスト教、特にプロテスタントでは聖書は、神が人に語りかけるもの、つまり神の言葉とされています。

カトリックでは聖書よりも教会が権威を誇りますが、プロテスタントでは教会よりも聖書を重んじます。そのため、カトリックでは聖書を祭壇である枕飾りには置きませんが、プロテスタントでは聖書を設置します。

白い花

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
キリスト教では「白」は神の栄光を表します。白い花を枕飾りに置きますが、実は花は時に決まっていません。

献花は宗教的に意味があるわけではなく、遺体や棺を装飾すること、参列者の感情の発露としての意味が強いことが挙げられます。白い花に意味があるわけではありません。

死に関する感情の発露なので白い花が用意されることが多めです。白菊は仏教色が強いことから用いられません。また、バラには棘があるので用いられません。

燭台

古くからロウソクは夜の闇や暗い場所に置いて必要な灯りでした。現在では宗教的な祭儀のために用いられることが多くなっています。

キリスト教の火、特にロウソクの火は聖霊と光を表します。聖霊は水、血とともに三位一体とされています。聖霊とは神の活動する力です。

キリスト教でのロウソクは祭壇の上で聖なる儀式が行われていることを示すために灯されます。ロウソクを灯す燭台は、儀式の象徴としてなくてはならない道具です。

パン

キリスト教におけるぱんは「キリストの体」つまり聖体です。カトリックでは「聖体拝受」と言って死にゆく人にパンとワインを与えます。

パン与えられることにより主の死と復活に結ばれ、復活の保障を得ます。パンはキリスト教の儀式には重要です。

水はキリスト教では清浄や清純を表し、欠かせないアイテムです。洗礼式でも額に水を流し、罪を洗い流し、新しい命になるという解釈がされます。

枕飾りに置かれる水は聖霊を受けた体に敬意を表し捧げられます。

葬儀の知識を身につけましょう

死は誰にでも平等に訪れます。しかし、葬儀に関することは枕飾りひとつ取ってもわからないことだらけです。

知識がないばかりにトラブルが引き起こされます。この本は「葬儀のイロハ」がわかりやすくかつ、丁寧に書かれています。

葬儀屋5代目の著者が「お葬式の意義」を説明してくれ、さらに時系列で葬儀の手順を知識として蓄積できる一冊です。

見送る側、見送られる側共に後悔しないために知っておいた方が良い事や、事前に考えておかなければならないことが分かり易く記述されています。

出典: https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1SKDAKT1VVN... |

枕飾りの費用の相場

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
枕飾りの費用を知っている人は少ないでしょう。宗教や宗派によっても必要なアイテムが変わります。

枕飾りは遺体の枕元に設ける簡単な祭壇です。故人が亡くなってから通夜・葬儀に入るまでの簡易な祭壇で、仏教では故人の魂が無事に死後の世界に旅立つための重要な意味を持ちます。

一般的な枕飾りの相場は1万円〜3万円の範囲です。一般的には葬儀の費用に含まれていることが多いです。

仏教

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
仏教の枕飾りは準備するものが多く、遺族が用意する場合、仏具の格によって変わります。葬儀社に依頼した場合には1万円〜3万円程度です。

僧侶への枕経のお礼は地方や寺のしきたりによって変わりますので、葬儀社や檀家の方に尋ねましょう。一般的には通夜や葬儀のお礼と一緒に包まれていることが多いです。

神道

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
神道の枕飾りも、お供えの種類により変わりますが、だいたい1万円〜3万円程度です。神道では枕直しの儀と呼ばれ、燭台、三方、花器を用意します。

枕直しの儀では、北におられる祖霊に頭を向けて遺体を寝かせます。

キリスト教

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
本来、キリスト教には枕飾りは必要ありません。

しかし、弔問に訪れた方のために簡易式の祭壇を設けます。多くは台の上に十字架、聖書、生花を飾り、ロウソクの火を絶やさないようにすることが多いです。

枕飾りの意味を知ろう

枕飾りの意味や役割|宗教ごとに異なる3つの様式を解説
葬儀にはわからないことが多く、流されるまま儀式が終わってしまうこともあります。ひとつひとつの儀式には意味があり、枕経、枕飾りにも意味があります。

宗教によって枕飾りの意味は異なりますが、共通する想いは「故人を大切に悼む」です。このことを念頭に置き枕飾り、葬儀などをいとなみましょう。

Related